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ロンドン 罵声で示すチーム愛

2012年04月02日

 味方には大声援と大拍手。敵にはブーイングと痛烈なやじ。ロンドンで先日、英サッカー二部リーグの試合を取材した。外国人観光客も観戦に訪れるイングランド・プレミアリーグの強豪チームと違い、スター選手はいない。だが、実力に関係なく地元ファンの熱は共通している。

 歴史的に労働者階級に支持されてきたスポーツだからか「少々」の口の悪さはご勘弁。敵の主力選手がボールを持てば「あいつを蹴り倒せ」。敵将が審判の判定に抗議すれば「おまえはベンチに座ってろ」。老若男女が即座に客席を立ち上がり「F」で始まる汚い言葉を連発する。

 ハーフタイム。全面禁煙だったはずの場内のトイレに入ると、白い煙で前が見えなかった。40代とおぼしき愛煙家のファンにこわごわと聞く。「いつからファンなの?」「生まれた時」。もはや宗教に近い。敵に容赦なく浴びせる罵声はチームに対する“信仰心”の表れなのだ。

 英国人のサッカー好きはほぼ、自分が愛する「マイチーム」を持っている。ブームに敏感な日本人に見る「にわかファン」は存在しない。そういえば、ウィリアム王子とキャメロン首相は、プレミアリーグ「アストンビラ」のファンとしても知られる。2人の英国紳士もスタジアムに入ると、急変するのだろうか。 (小杉敏之)

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