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パリ 誰も解けぬ移民問題

2012年03月14日

 「エッフェル塔は何のために建てられた? (1)パリ万博(2)観光客の誘致(3)アンテナの設置」「エディット・ピアフは? (1)歌手(2)自転車競技のチャンピオン(3)鳥類の専門家」「襲撃前のバスチーユは? (1)ホテル(2)刑務所(3)劇場」…。こんな問題が60問。フランス政府が現在検討しているテストの例題だ。

 対象となるのはフランスへの移民希望者。政府は移住の条件の1つとして同国の文化、歴史、社会の知識レベルを問うという。合格ラインは正答率7~8割になるらしい。

 移民問題は大統領選のたびに争点になってきた。常に治安悪化と関連付けられ最近は景気低迷の中で高い失業率の原因にも挙げられる。再選を目指すサルコジ大統領は、移民の制限強化を掲げるが今回のテストもその文脈の中にある。

 さっそく解いてみた。意外に手ごわい。観光情報レベルの設問に交じり、「パリの大モスク」や「仏人民戦線」「対独抵抗運動」などに関するものが交じる。勘がすべて当たり、正答率は9割を超えたが、仏国籍のハードルの高さ、移民対策の厳しさを実感した。

 ただ、本当に難しさを感じていたのは当のフランス人のようだ。テレビの街頭インタビューに登場した通行人たちは、そろいもそろって同じ意見。「これはフランス人でも無理だ」 (野村悦芳)

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