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ソウル 待ち遠しい春花前線

2012年04月13日

 日本ではそろそろ桜の季節。当地でも桜は人気が高く、各地の開花時期を予想する「桜前線」も発表され、市民は花見を楽しむ。

 その前に、当地の人たちが待ち望んでいる「春花」がある。黄色いかわいらしい花をつけるケナリ(チョウセンレンギョウ)と、濃いピンク色の華やかなチンダルレ(カラムラサキツツジ)だ。

 3月下旬から4月上旬にかけ、まずケナリが花開き追いかけるようにチンダルレが咲く。長かった冬が終わり、街中に花があふれる最高の季節の始まりだ。

 韓国気象庁は「ケナリ前線」「チンダルレ前線」も発表する。それによると、今年2月の平均気温は氷点下1.1度と、平年より2度ほど低かったため、開花はやや遅れそう。ソウルではそれぞれ4月2~5日に開花し、ピークは同10日前後との予想だ。

 待ちきれず3月中旬、ソウル市内の樹木園を訪れた。早咲きの木で花見をともくろんだのだが、さすがに早すぎた。ケナリもチンダルレの花にも出合えなかった。

 この日のソウルは寒さが戻り、最低気温は氷点下5度、日中の最高気温も4度ほど。もし咲いていても、ゆっくり花をめでるのは無理だっただろう。やはり花見は十分暖かくなったころに、桜で楽しむのが正解なのかも。 (篠ケ瀬祐司)