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ロンドン 「ヒロイン」は正統派

2012年05月07日

 子供たちの喜々とした声が響いた。演劇の都、ロンドンのグローブ座。エリザベス王朝時の面影を見る木造建築の劇場は、シェークスピアの戯曲が多く演じられたことで有名だ。1598年に建てられた当時を忠実に再現し15年前に同じ場所に再建された。

 中央に張り出した舞台と、立ち見席用の土間が特徴的。先日たまたま助手と訪れると、地元の小学生たちが男女の実らぬ恋を描いたシェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を演じていた。

 劇場側が体験学習の場として提供。ファンにはうらやましい限りだが、ほほえましい演技をながめ、自分の小学校時代を思い出した。30年以上前、学芸会で同じ戯曲をクラスで演じたからだ。

 私学の男子校だったため、ジュリエットの配役には困った。結局、担任教師の独断で決定。予期せぬ指名に困惑するクラスメートの衣装と化粧を“悪友”たちとからかった。

 思えば、本人の誇りをいたく傷つけたかと後悔するが、グローブ座のガイドの説明にほっとした。中世の英国では、法律で女性が舞台に上がることが禁じられ、シェークスピアの戯曲も女性が演じることを想定していなかったという。

 晴れて名誉回復。今も仲の良い、ひげ面のジュリエットに早く伝えなくては-。 (小杉敏之)

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