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ハバナ 住宅売買はや抜け穴

2012年05月28日

 こういうときは、話に乗ってみるのも悪くない。経済改革が進むキューバの首都ハバナでの出来事だ。

 昨年11月に個人間の住宅売買が認められ、旧市街にある公園が商談の場になっている。一戸建てやアパートの間取りを書いたボール紙が並木につるされ、売り手と買い手が「高い」「いや買い得だ」-とやっている。

 ノートを広げて取材をしていたら、男性が近づいてきた。いわく「情報はあるか」。最初は何のことだか分からなかったが、どうやらこの男性、売買を仲介するブローカー。物件をメモしている姿を見て、仲間だと勘違いしたらしい。

 「あの女性は3LDKを7万兌換(だかん)ペソ(約650万円)で売っている。高くないか?」と聞いてみた。するとこの男性、「売り手はなかなか値を下げない。だから物件がだぶついている」。彼らは売買の自由化に便乗して現れた許可なしの“闇業者”である。

 話が盛り上がったところで素性を明かすと「投資向けに買わないか」と、1軒勧められた。政府は外国人の不動産取得を認めていないが「気にするな。キューバ人と結婚すれば全然、問題ない」。

 どこの国でも思うことは、政治体制とは無縁の庶民のたくましさ。とはいえ、まさか国際結婚のブローカーまでは出現しないと思うのだが。 (青柳知敏)

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