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ロンドン ワイロ民間もご用心

2012年05月31日

 危うく、賄賂をもらうところだった。しかもまったく気づかずに。英国で昨夏から施行された世界一厳しいと評判の贈収賄防止法は公務員だけでなく民間人も対象だからだ。

 先日、ロンドンに住む友人から「会社で買っているサッカーのシーズンチケットが2枚余ったから、行かないか」との電話が入った。予定していた相手が突然の用事でキャンセルしたという。

 自分自身はサッカーにまったく興味はないけれど、サッカー好きを誘って行こうかと好意に甘えることに。チケットを受け取ろうと友人に会うと、頭をかきながらこう言った。「悪いけど、買ってくれないかな。そうしないと、法律に触れてしまうらしいんだよ」

 会社の担当部署から「一つの会社に対する年間提供額が決まっている」と警告されたという。友人からチケットをもらうのはこれで3回目、計6枚になる。1枚100ポンド(約1万3000円)なので、どうも600ポンドが法に触れるラインらしい。

 仕事上の付き合いはまるでないのでやましさは毛頭ないが、600ポンドはもらうにはちと高い。迷惑をかけても何なので、200ポンドを払うことにした。友人がある政府関係者と会った際、この法律に話が及ぶと首をひねっていたそうだ。「それにしても何で民間人まで対象にしちゃったんだろう」と。 (有賀信彦)

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