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サンフランシスコ 気分浮き浮き走る家

2012年05月29日

 近所の夫婦が最近、キャンピングカーを買い直した。昨年、全長約10メートルで寝室が2つある巨大なのを買ったばかりなのに。

 理由を聞くと、「夫の腰の痛みが激しくなり大きなキャンピングカーは設営に難儀をする」からだという。

 前のものはトラックでけん引する形式で、連結や引き離し、キャンプ場での上下水の接続は、かがんで行わなければならないので腰に負担がかかる。それに比べて今回のものは運転席と居室部分が一体でコンパクトだ。

 米国では、キャンピングカーではなくモーターホームと呼ぶ。走る家と呼ぶにふさわしく装備は充実、大きいのはバスほども。大体は寝室、シャワー、トイレ、ガス台と流し、食卓、冷蔵庫、テレビ、電子レンジが備わっている。価格は日本円で数100万円から1000万円以上まで。中古もふんだんに出回っている。

 カリフォルニア州では、普通免許で長さ約12メートル、重量約4.5トンのものまで運転できる。しかし重量があるため燃費が悪くなる。1リットル当たり4~5キロという話をよく聞く。

 その夫婦は、新しいキャンピングカーに乗って5月から4カ月間の旅行に出るのだと、浮き浮きしている。物資もスペースも燃料もふんだんに使うのが、この国のお国柄のひとつだ。 (岡田幹夫)