2012年06月05日
暗くて長い冬の反動だろうか。肌寒さが残る英国の春だが、太陽が顔を出すと人々は公園や通り沿いのオープンカフェで夏を先取り。上半身が裸の男性たちに交じり、薄着の女性も目立ってきた。
記者は男性。女性の大胆な肌の露出は目のやり場に困るが、海辺がないはずのロンドンの中心部に今夏、砂浜が登場する。7月開幕のロンドン五輪で、バッキンガム宮殿に近く英王室騎馬隊前の広場ホース・ガーズ・パレードが、ビーチバレーボールの会場になるからだ。
女子選手はビキニタイプの水着が主流。思わず刺激的な光景を思い浮かべてしまうが、英国人も考えることは同じようだ。
昨夏の五輪テスト大会では、英国代表の女子選手が身に着けたビキニパンツのお尻にバーコードがプリントされていた。観客が携帯電話の搭載カメラで写すと、スポンサー企業のウェブページに接続される仕掛け。男性の「下心」を見透かした露骨な企業戦略には批判も起きた。
英政府に割り当てられた五輪入場券8800枚のうち、人気の高い陸上競技が356枚だったのに対し、ビーチバレー女子は410枚も確保されていたことも判明。野党議員から「不自然だ」と突っ込まれた閣僚は「ただの偶然」と苦しい答弁を強いられている。 (小杉敏之)