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台北 かき氷店また溶けた

2012年07月09日

 日本の観光客にも人気のかき氷店「永康15」が、予告なしに突然、閉店した。ガイドブックを手にした2人連れ日本女性の観光客がキョロキョロしているので「閉店したらしいよ」と言ったら、「ウソー、やってないの」とがっかりしていた。隣の店に聞くと、5月末で賃貸契約切れだという。「あそこはもうかってるから値上げされたんじゃないか。なにしろこの辺は家賃が上がってるからね」

 店は、台北市内では小じゃれた店が並ぶ永康街の一角。台北の青山と言った人もある。わずか10平方メートルほどの店だが、マンゴーなど台湾特産のフルーツを満載した、1人では食べきれないほどの大盛りかき氷で人気だった。日本のガイドブックには必ず紹介されており、近くの小籠包(ショーロンポー)の店で食事し、ここでかき氷というのが1つの定番コースにもなっていた。

 実はここには昔「冰館」という店があった。それが、約2年前に経営権のいざこざから突然閉店。そして今回、またの閉店になった。シャッターを下ろしただけで閉店の張り紙もなく、「夜逃げでもしたのでは」と思われてしまいそう。

 永康街は観光客の人気スポットで、近く地下鉄(MRT)も開通するとあって家賃が急上昇しており、そのせいもあってか店の入れ替わりが激しい。 (迫田勝敏)