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アナポリス 万感・・・帽子投げ100年

2012年07月31日

 米メリーランド州アナポリスにある海軍士官学校の卒業式に行ってきた。語学教官を務める知人の誘いで足を運んだ。最大のお目当ては、卒業生の帽子投げだ。

 帽子投げは日本の大学でもおなじみだが、発祥はこのアナポリスだという。しかも、今年は帽子投げが始まって100年目にあたる。

 士官候補生たちが力いっぱい放り投げた帽子はどこに行くのか。映画でも彼らが自分の投げた帽子を拾うシーンを見た記憶がない。実は、帽子は拾った者がもらえることになっている。学生のそばに座る知人に帽子を拾うよう頼んでおいた。

 卒業式会場のフットボール場で、真っ白な帽子は期待通り青空に高々と舞い上がった。知人は3つの帽子を確保してくれた。1つは女性士官候補生がかぶるやや細長いデザインの帽子、残り2つは男性士官候補生のつば付き帽子だった。裏返してみると、女性帽と男性帽の1つには名前が記入されており、女性帽子にはなぜか5ドル紙幣も挟んであった。残りの男性帽は新品だった。自分がかぶっていた帽子は記念にとってあるのだろう。

 帽子の主は将来、米海軍士官として戦地に赴くことがあるかもしれない。古い帽子には若者たちの思いや覚悟が宿っているような気がして、新品の帽子だけを手元におくことにした。 (久留信一)

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