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ローマ 後味が良い被災支援

2012年08月16日

 5月20日と29日に地震に見舞われたイタリア北部エミリア地方では、今なお余震が続く。工場や教会などの被害は甚大で、復旧には長い歳月を要する見込みだ。

 同地方はとりわけパルミジャーノ・レッジャーノと呼ばれる硬質チーズの本場で、24の製造業者が被災した。熟成中のチーズを並べる棚が崩れ、年間生産量の1割にあたる製品がひび割れて8000万ユーロ(約80億円)の損害が出た。

 伝統的に相互扶助、社会活動が活発な地域でもあり、市民らは早速チーズ産業復興に立ち上がった。製造者連合会では被災事業体を救援するため「連帯基金」を創設。被災したため原産地名称保護制度(DOP)認定を受けられず市場価値が損なわれたチーズを、1キログラム買ってもらうごとに1ユーロを基金に回す「後味は連帯の味」キャンペーンを開始した。

 6月20日、ローマに8トンの被災パルミジャーノ・レッジャーノ(1個平均38.5キログラム)が届けられた。外務省の手配で、省職員や70の在外公館と、日本を含む各国大使館が購入した。注文は、直接被災製造業者のサイトに予約するか、身近の商店やスーパーでもできるそうだ。価格は熟成14カ月ものでキロ当たり11.5ユーロ、27カ月もので同13ユーロほどとか。支援金を送るより、はるかに後味が良さそうだ。 (佐藤康夫)

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