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サンフランシスコ 患者さまはお客さま

2012年09月24日

 妻はひと月前、近くの病院で急患として半日、お世話になった。自分は今年3月、手術のために別の病院に6日間入院した。いずれの場合もあとから、病院での待遇を尋ねるアンケート用紙が送られてきた。

 入院中から感じていたのだが、米国の医療機関は日本に比べると患者はお客さま扱いだ。確かに居心地はいいが当惑する場合も。

 担当看護師が交代するとき「○時まであなたの看護師を務める○○です」とあいさつに来る。投薬時間には、「これは○○の薬です」と1錠ごとに説明しながら飲ませてくれる。同じ薬でも、次の投薬時に同じせりふを繰り返す。「もう分かったよ」と思いながらも親切に感謝する。

 痛み止めを使いたいと申し出たとき、看護師は「胃に流動食を流す管から入れる種類にしたいか、静脈注射する種類にしたいか」と聞いてくる。そんなこと医療側で判断してくれと、答えあぐねてしまう。

 退院時にも、医師は「退院可能な時期が来たが、いつ退院したいか」と聞く。医師が決めることではないかと思いつつも、患者と相談の上で決めるという方針を尊重して、医師と会話を交わすうちに決定した。

 アンケートは「最良」から「最悪」までの5段階。ほとんどの問いで「最良」に印を付けた。 (岡田幹夫)