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パリ 人気回復アシスト?

2012年10月30日

 取材から戻ると、支局の前が大騒ぎになっていた。若者ら数100人が集まり、サッカーの応援歌の大合唱。発炎筒までたかれている。パトカーに先導されたワゴン車から降りてきたのは、テレビで見覚えのある世界的な長身FW。スウェーデン代表のイブラヒモビッチ選手だった。

 彼はこの日、カタールの投資ファンドの資金で大型補強を進めるパリのクラブ、パリ・サンジェルマン(PSG)に移籍が正式決定し、支局向かいの公式ショップに招かれたらしい。ファンの手で長髪はぼろぼろ。それでも笑顔で手を振ると歓声が倍増した。スタジアムのような熱気だ。

 強国のイメージが強いフランスだが、久しくサッカーで盛り上がっていない。前々回ワールドカップ準優勝以降、今年6月の欧州選手権を含め成績はぱっとせず、むしろチームの不和や選手の暴言が注目されてきた。同選手権の期間中はパリ市内でも優勝したスペインのサポーターの騒ぎぶりのほうが目立ったほどだ。

 世論調査によると、仏代表に共感を覚える人の割合は2割に急落し、サッカー人気はラグビーに負けているらしい。支局前の大騒ぎは、肩身の狭いサッカーファンの憂さ晴らしにもみえた。知人のサッカー好きに話すと「カタールの資金を仏代表にも使ってほしいね」。

(野村悦芳)

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