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パリ 世界をKaizen

2012年12月15日

 名前を見て、思わず棚の雑誌を手に取っていた。パリの書店。「Kaizen(カイゼン)」という日本語名がその隔月刊の雑誌には付けられていた。

 アニメ、ゲーム、武道といった分野を除けば、日本語がフランスの雑誌名になる例は少ない。しかも、トヨタ自動車の生産方式で知られる「カイゼン」。ぱらぱらとめくったが、自動車や経済関係でも、ましてや日本文化を扱った雑誌でもないことがまた意外だった。教育、環境、健康に関した記事が多く、フランス人に新しい生活スタイルを提案するのがKaizen誌の狙いのようだった。

 「少しずつこの世界をよくしていこうという日本発のアイデアが、私たちの哲学にぴったりと1致していたんです。この雑誌のコンセプトは『一歩ずつ世界を変える』ことですからね」。問い合わせに、グリボバル・パスカル編集長が説明してくれた。数年前、フランスで、日本のカイゼン文化を紹介する本が出版され、感銘を受けた編集者の1人が命名したそうだ。「震災から少しずつ復興する日本のイメージも重ねているんです」という。

 3月に発刊し、各号の部数は1万弱。日本では「クーリエ」「ヴォーグ」「ニュメロ」など仏語を冠した雑誌は数多い。貴重な逆の例としても、Kaizen誌を応援したい。(野村悦芳)

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