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義烏 こちらも「日本外し」

2013年01月04日

 日用雑貨が集積する「100円ショップの里」として知られる中国浙江省義烏市に立ち寄ると、たまたま国際博覧会が開かれていた。今年で18回目を迎えた展示商談会だ。

 会場前の看板は、一般参観は最終日のみで、訪れた日は出展企業や購入業者など関係者向けの商談日と書かれていた。ダメもとで受付に行くと、登録用紙に記入するだけで「購入業者」として無料でパスが発行された。会場に入ると同じようにパスを手に入れたのか、親子連れやカップルなどどう見ても業者とは思えない人でいっぱいだった。

 会場内は玩具や文具、衣料品、スポーツ用品をはじめ工芸品、電子機器・部品までさまざま。外国人バイヤーの姿も多く、場内の盛況ぶりに圧倒された。昨年は3000社以上が出展し約2000億円の成約があったという。

 ただ、気になったことも。輸入品のコーナーでは日本製品を紹介したブースが見当たらず、掲げられた各国の国旗にすら日の丸はなかった。一方で日本が抜けた穴埋めをしているかのように、韓国や台湾が複数のコーナーで大々的に商品を紹介していた。

 尖閣諸島領有権問題による「日本外し」なのだろうが、本当に日本製品が中国で相手にされなくなる日が来るのでは。にぎわう会場を眺めながらふと心配になった。 (新貝憲弘)