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台北 謝恩価格客足伸ばす

2013年01月17日

 東日本大震災では台湾から巨額の義援金が寄せられた。支援に感謝する日本人による音楽会などの「感恩活動」が台湾で今も続いている。

 その一環で、東京・練馬出身の野崎孝男さん(38)は、感恩ラーメン店を台北にオープン。低価格メニューを提供し、人気を博している。

 台湾は今年、第二次ともいえるラーメンブーム。日本のラーメン店業界も早々に進出、今春には一風堂、山頭火などの著名店も新たに上陸し、それぞれ客を集めている。

 ただ、価格は1杯200元(約540円)前後で、台湾の物価水準からすると、少々高い。そこで野崎さんは「時給程度で食べられる価格に」と考えた。台湾の法定時給は最低103元(来年から109元)。セルフサービス方式を採用、原材料メーカーの協力も得て徹底的にコストダウンした結果、1杯99元の価格を実現した。

 この秋、開店初日と2日目は「サンキュー」の語呂合わせで390杯を無料提供した。台北駅前の補習班(予備校)街という地の利に加え、地元マスコミが風変わりな「感恩拉麺」の話題に飛び付き大々的に報道したこともあり、3日目からの正規営業でも昼時は連日満員だ。早くも年末、2号店のオープンが決まった。 (迫田勝敏)