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ウランバートル 二つの伝説真偽は…

2013年01月20日

 氷点下20度。外の通りを歩くと、舌が凍りつくような感覚がした。口の中まで寒気が侵入してくるからだ。石炭のにおいがする町の空気を吸い込むと、のどの奥も凍えるのか吐き気がした。

 ウランバートルに出張取材した。モンゴルの首都で標高1、350メートル。飛行機の窓から見ると、広大な雪原と雪山に囲まれた盆地だった。「こっちへ行けば北京、逆ならモスクワだ」。町で現地の男性が道路と並行する線路を指し、何げなく言うスケールに驚いた。

 モンゴルといえば、やはり相撲のイメージだ。ガイドの男性は「ここは寒暖の差が激しすぎて野菜が育たない。代わりに肉ばかり食べているから強い格闘技選手が育つんです」と教えてくれた。確かに食のせいなのか、若者でも腰回りが緩めの男女が目についた。

 大学で日本語を習った彼は「しゃぶしゃぶ」がモンゴル語だという。「早く早く」という意味で、羊肉の似た鍋料理もあり、蒙古(もうこ)襲来で日本に伝わったと力説され、うなってしまった。

 お礼に義経伝説を披露した。源義経が大陸に渡り、モンゴル帝国の蒼(あお)き狼(おおかみ)チンギスハンになった、と…。直前まで「顔も似て、お尻に青い蒙古斑もある日本人には親近感がありますよ。青は誇りの色です」と笑っていた彼があきれた表情をみせた。 (辻渕智之)

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