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北京 拡散にきりきり舞い 

2013年03月19日

少し甘く見ていたかもしれない。最近、日本でも話題となっている中国の大気汚染。先日、北京の日本大使館で開かれた説明会に出席して怖さを再認識した。

 1月の北京は特にひどかった。月の大半、毛髪の40分の1という微小粒子状物質「PM2・5」の観測値が、多くの地点で環境基準を大幅に上回った。

 むろん汚染は今に始まったことではない。この冬は気候の関係で大気の対流が止まり、工場や排ガスの汚染物質が濃霧とともに長い間、地表に滞留したため、計器も人々も異常を察したのだ。

 中国で起きる諸問題は全て人口の多さ、国土の大きさに起因するといっても過言ではない。大気汚染も例外ではなく、中国ゆえに規模も状態も桁違いにひどい。都市部は短期間に人口や自動車、エネルギー消費量が激増し、環境対策の効果も相殺されてしまう。

 説明会では呼吸器系の病気のリスクが高まるなど聞いていて、めいる内容ばかり。ここで暮らすなら「外ではマスク、家では空気清浄機」。もっとリスクを減らすには「転地か転職」が結論だった。

 楽観的な北京っ子たちもかなり敏感になっている。何せ逃げ場がない。「北京せき」「霧の北京」と自虐的な言葉もはやり始めた。私はスマホで汚染指数を確認するのが日課になった。 (渡部圭)

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