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ニコシア 南国の青空守るには

2013年04月25日

 3月下旬、いまだ寒い勤務地のベルリンから、春真っ盛りのニコシアへ飛んだ。キプロス金融危機の取材だ。

 地中海に面してリゾートホテルが並び、欧州中から観光客が集まる。何かと緊張度の高いドイツに対し、青空の下でゆったりと物事が進む。そんな空気に浸るうち「日本に沖縄があるように、欧州にキプロスがある」と思い付いた。

 沖縄とキプロスは来訪者に自然の恵みや癒やしを与える。日本人が国内旅行で沖縄を訪れるように、欧州連合(EU)の国民は気軽にキプロスを訪ねる。ユーロ圏の住民なら両替もいらない。

 相対的に経済レベルが低い点も同じだが、沖縄の場合は都会の税金が公共事業などの形で投入されている。こうしたお金の使い方を「沖縄には努力が足りない」と否定する人はまずいないだろう。

 構図は欧州も同じ。極言すれば、ユーロ危機の解消はドイツのような金持ち国がキプロスのような貧乏国にどれだけお金を投入できるかにかかる。そしてキプロスの価値がドイツ流の合理性や能率と相反する以上、下手に競争力強化を求めず、必要なお金を出し続ける選択肢もあり得る。

 危機発生から4回目となるこの夏、南欧でバカンスするドイツ人には「国内に非効率を抱えるメリット」を再考してもらいたい。 (宮本隆彦)

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