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ドーハ 産油国アクセル全開

2013年05月10日

 ひと昔前の米国映画か。ピカピカに磨き上げられた大排気量の高級車が、爆音を立てながら、湾岸沿いの道路をかっ飛んでいく。

 経済成長が続く中東カタールの首都ドーハで先月、取材のためにレンタカーを借りた。車窓から頻繁に目にしたのは、最新型のスポーツタイプ多目的車(SUV)や、高性能を誇るスポーツカーだ。

 急発進に急加速。ドライバーの頭に、おそらく「エコ」や「低燃費」といった言葉は存在しない。近代的に整備された真新しい街並みを横目に、アクセルペダルを思い切り踏み込んでいる。

 無理もない。地下資源に恵まれたカタールの石油・天然ガスの埋蔵量は、国民1人当たりに換算すると世界一。聞いてはいたが、ガソリンスタンドでは産油国にいることを強く実感した。

 ガソリン1リットルが、わずか1カタール・リヤル(約25円)。現地で購入したミネラルウオーター500ミリリットル入りのペットボトルと同じ値段。

 そういえば、5日間のドーハ滞在中、電気自動車はもちろん、ハイブリッドカーさえも見なかった。少しは環境への意識も高めてほしいものだが、アクセル全開の運転は、高さを競うようなペルシャ湾岸の高層ビル群とともに、国の勢いを象徴するようだった。 (小杉敏之)

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