2013年05月31日
ヒューというモーターの音が聞こえるだけ。アクセルを踏むと、ゼロ~400メートル間のすごい加速を体験できる。ガソリンのエンジンは絶対にかなわない。
ボンネットを開けると、日本製のバッテリーが見える。専用プラグに一晩ケーブルでつなげば、翌朝300キロくらいの距離を優に走れる。1.6キロ走るのに必要な電気代は2円弱という。
米カリフォルニア州シリコンバレーにあるテスラ自動車本社を訪問した。電気自動車の大手だ。同社の車種は当初、約1000万円のスポーツタイプだけだったが、昨夏にセダン型が出て、売れ行きがいい。価格はスポーツ車の半分程度だという。
同社は銀行と協力して、購入者向けに新たな金融の仕組みまで導入。電気自動車のリースのような方式に優遇税制を組み合わせた。このアイデアも、売れ行き好調の一因だ。
排ガスを出さない電気自動車は、地球温暖化を減速させるが、普及を図るには、公共の充電施設など、インフラがまだ不十分。米国には数十の電気自動車メーカーがあるといわれ、競争激化で採算は厳しいようだ。
競争原理が働いた後に生き残った社が200万~300万円程度の車種を売り出し、さらに充電インフラが整備されれば、ブームも爆発的に加速するかもしれない。 (野口修司)