2013年07月24日
こぢんまりとした家だった。
米メリーランド州ボルティモアにある、「野球の神様」として知られるベーブ・ルースの生家を訪ねた。
現在は、その周囲を取り囲むように新しい建物が立ち、博物館として一般に公開されている。
路地に車を止めて、中に入ろうとしたら、日本人一家が出てくるところだった。
別に不思議でもない。通り過ぎて、中に入ると、記念コインの販売機のハンドルを、日本人の父親と子どもがぐりぐり回しながら、盛り上がっていた。
私たちの後に入館して来たのも、またもや子連れの日本人家族だ。祝日の午前中という時間帯もあるのか。日本人の他に、館内にいたのは、白人カップル一組だけ。
「ここは、日本か」
思わずそう突っ込みたくなった。
帰ろうとして車を発進させると、駐車スペースに滑り込んできたのも、日本人と思われる家族の車。
これまで、米国内でいろいろな博物館を訪れたが、これほど日本人率が高いのは、ここが初めてだ。
思い余って後日、博物館に電話してみた。
受付の女性は、からっとした明るい声でこう答えた。
「日本人はいつも来てますよ。日本人って、ベーブ・ルースがすごく、好きなんでしょ?」(長田弘己)