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カイロ 礼拝の後はまわし姿

2013年09月17日

 床に額を押し付けるイスラム教の礼拝を全員で終えた後。始めたのは日本の国技、相撲だった。白いまわし姿になったアラブの大男らが、一心不乱にぶつかり稽古を始めた。

 政変で揺れるエジプトの首都カイロ。騒然とした世相の中、稽古を再開した相撲の同国代表チームを先日、訪ねた。大相撲でアフリカ大陸から初の関取となり、名古屋場所を沸かせた大砂嵐(21)が、切磋琢磨(せっさたくま)した場だ。

 国内で相撲を知る人はあまりいない。国の代表といっても、予算不足で土俵型マットが1枚あるだけ。この2年半、政情不安で稽古も満足にできない。

 だが、選手はハンディをはね返し、国際大会の上位入賞者も。「本場の日本で、本物の稽古の雰囲気を味わってみたい」。そんな相撲愛を語る。仲間で情報を交換する、フェイスブックまである。

 大砂嵐は訪日前、インターネットで相撲事情を研究していた。「横綱」の夢を膨らませ、国を飛び出した。

 「先日、私が婚約した際は電話で祝ってくれた。親切で礼儀正しい男です」。ムハンマドさん(22)は親友の活躍がまぶしそうだ。

 「夢に半分だけ届いた。ナンバーワンになり、歴史に名を残せ」。ハリーファ監督の言葉は厳しく、温かい。

 殺伐としたニュースが続くエジプト。大砂嵐は仲間の期待に応えられるか。 (今村実)

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