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パリ マリの将来託す一票

2013年09月10日

 マハマドゥ・シビさんは53歳で生涯初の投票をした。「国の将来を選べる素晴らしい機会だと思ったんだ」。パリ在住のマリ人。わが支局が入っている建物の管理人でもある。大統領選の在外投票が実施されたパリのマリ大使館で、一票を投じた。

 首都バマコの自宅を離れて6年がたつ。昨春のクーデターを機に、イスラム過激派がマリの北半分を支配してからは、南部の首都バマコに残してきた家族を案じない日はなかった。フランスの軍事介入により、北部の主要都市が戻り、国の再生の一歩として実施される大統領選。「失業、貧困など問題は多い。特に汚職をこの選挙を機になくしていかないといけない」という思いを一票にこめたそうだ。

 旧宗主国フランスには、パリを中心に10万人といわれるマリ人が住む。混乱が完全に収まらない中、見切り発車で実施された今回の選挙は低投票率が懸念された。マリ大使館は投票を積極的に呼び掛けたようで、在外投票所にはシビさんのような、仏在住マリ人が多数詰め掛け、熱気が満ちていたという。

 国の再生を願っていると伝えると、「私の国のことに興味を持ってもらえるのがうれしいよ」とシビさん。毎朝会うたびに口にする「アリガトウ」の日本語がひときわ弾んでいた。 (野村悦芳)

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