2013年12月11日
カナダ東部ニューブランズウィック州にある小さな町フレデリクトン。街中にある教会の礼拝に出て驚いた。白人に交じって韓国系の住民がたくさんいて、元気いっぱいの韓国語が飛び交っている。
大西洋に面したカナダの東端だ。冬は気温が氷点下となり、雪に覆われる。日本や韓国からの距離も遠く、決して親しみやすい地域ではない。
なぜ、こんなに多くの韓国系住民がいるのか。「いい移民受け入れ政策があって、いい教育があるからです」。移り住んで12年というユンさん(71)が言う。「韓国は人が多すぎるし、競争が激しい。だから国外に出たがる人は多い。カナダはいいところですしね」。特定の企業や仕事があるわけではない。レストランや店を経営している人が多いという。
カナダ政府の統計で韓国系住民は日系人の10倍ほど。日本だって人は多いし、競争は激しい。でも、深い雪に覆われるカナダ東端の小さな町で、新しい人生を始めようという人は多くない。
「みな静かで平和な人生を楽しんでますよ。日本も韓国と同じで人が多すぎるでしょ」。ユンさんは、誘惑するかのように言葉を繰り返した。「私たちは、本当にここの人生を楽しんでます」 (吉枝道生)