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上海 効果が薄れた禁止令

2013年12月20日

 中国・上海の中心部にある自宅マンションで最近、一階に住む欧米人の家族が引っ越した。もっと高級な部屋に移るのかと思って引っ越し作業中のご主人を冷やかしてみると、浮かぬ顔で「うるさいからね」とつぶやいた。

 私の自宅は11階にある。赴任からもうすぐ3年となる今でこそ慣れたが、当初は毎朝、近くの交差点から聞こえる車のクラクションが目覚ましだった。まだ薄暗い早朝から夜8時くらいまで、少し車の流れが滞ると、たちまち大音量が響きわたる。一階の家族は、さぞかし悩まされたのだろう。

 上海の中心部ではクラクションが禁止されている。2007年に「禁止令」が施行され、違反者には罰金が科せられる。施行直後のインターネットの書き込みには、「街が静かになった」との声も。当時は当局も集中的に取り締まりをしていたそうだ。

 禁止令施行から6年。上海に住む何人かの友人に聞いてみたが、いずれも「効果は薄れてきたね」と苦笑いを浮かべた。当局も危機感を持ったのか、適用範囲を市内全域に広げるなど、禁止令の強化を検討し始めた。

 自宅には、生まれて半年の息子がいる。昼寝の寝顔を見ながら、「起きてしまわないか」とハラハラしなくても良くなる日は来るのか。 (今村太郎)

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