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ワシントン 規制超えた庭園の美

2014年02月07日

 言われてみれば当然なのだが、米首都ワシントン中心部の記念塔近くに「日本庭園」を造るのには多くの規制が立ちはだかった。

 ポトマック川沿いにある池のほとり。1954年に東京都から寄贈を受けた石灯籠がある。1912年に初めて日本からワシントンに桜が贈られて100年の記念事業として、ここに拠点を置く日本企業や政府などがお金を出し合い、周辺を日本庭園のように整備した。

 満開の桜の下で、とはいかなかったが真っ赤に紅葉した木々に囲まれ、日米の関係者らがそろってテープカットに臨んだ。

 規制の壁は厚かった。2011年春から米政府に掛け合い、完成に2年半かかった。庭園を仕切るような境界線を造ってはいけない、池の反対側にあるジェファソン記念館の眺望を邪魔するものは置いてはいけない、玉砂利もダメ・・・。

 そのような厳しい条件で設計を担当したのが、1968年に渡米して以来オレゴン州を拠点に全米で日本庭園を造ってきた栗栖宝一(くりすほういち)さん(74)だ。「日本庭園の持つ空白の美を生み出すことは難しかったが、遊歩道に使った御影石で流れを表現するなど、工夫しました」と、すがすがしい笑顔だった。

 きっと、来年の桜の季節には、新たな観光スポットとして注目を浴びることだろう。

  (斉場保伸)

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