2014年02月19日
「スノー・グローブ」をご存じだろうか。ミニチュアの建物や人形などが球形やドーム形の透明な容器で覆われ、中は水で満たされている。雪に見立てた白く細かい粒も一緒に入っているため、手に取って動かすと、雪が降っている風景をつくり出すことができる。
日本では「スノー・ドーム」とも呼ばれ、玩具や土産物として売られる。世界中に収集家がいて、かく言う自分もその一人。外国に行くと、必ず土産物屋に飛び込んでいる。
クリスマスシーズンを迎えたロンドンの繁華街、ピカデリー・サーカスに、巨大なスノー・グローブがお目見えした。
球体内は水で満たされていないが、中に鎮座するのは、観光名所として知られる「エロスの像」。エロスはギリシャ神話に登場する恋心と性愛をつかさどる神とされ、その像は裸体の若い女性だ。
スケベ心はさておきコレクターとしては見過ごせない。実物の大スケールには驚いたが、やはりドームで覆った理由を知りたい。
調べてみると、実は「酔っぱらいよけ」。年末にかけて例年、周辺のパブや飲食店で飲んだ男らが、高さのあるエロス像によじ登って抱きつくなど、悪ふざけをするという。
街のムードを壊さない妙案だが、うがって見れば“痴漢よけ”。意外な使い道があるものだ。 (小杉敏之)