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広州 ひとくくりに不快感

2014年02月27日

「五毛(ウーマオ)! 五毛! 五毛!」-。

 愛知県稲沢市の市議会議員が覚せい剤を所持していた疑いで逮捕された広東省広州市は、アフリカ人が多い街で知られる。市議はナイジェリア人から渡されたスーツケースから覚せい剤が見つかったとされるため、アフリカ人が集中する地区で手掛かりを探した。

 雑居ビルや集合住宅が混在する細い路地を歩きながら黒人に声をかけたが、そのほとんどが中国語を話せず意思疎通に苦労した。英語は不得手なため、込み入った質問もできなかったが、ギニア出身の男性の言葉が印象的だった。

 彼は「アフリカ人という言葉でくくってほしくない。あなたたちアジア人だって中国や韓国、日本と違うだろ」と不快感を示した。広州ではアフリカ人の不法滞在や麻薬の密輸が問題になっているが、アフリカ人全体に偏見を持たれたくないという彼の思いがひしひしと伝わり、自らのイメージの貧しさを恥じ入るしかなかった。

 後で現地の中国人に聞くと、中国語を話せるアフリカ人は少なくなく、中国語で答えなかったのは「おそらく警戒されたのだろう」とも。普段接点のないアフリカ人に声をかけるのは勇気がいったが、彼らも同様だったのだろう。それだけに市議はナイジェリア人とどのように知り合ったのか、2人を結ぶ糸はますます見えなくなった。 (新貝憲弘)

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