2014年02月24日
デフレの国から赴任した身にとっては、米国の年末商戦の熱狂ぶりがまぶしすぎる。思わず目を覆いたくなるほどの勢いだった。
首都ワシントンに隣接するバージニア州の大型ショッピングモール。商戦初日、有名ブランドのロゴが大きく印刷された紙袋をいくつも抱えた買い物客でごった返していた。
この日を通称「ブラックフライデー」という。暗黒の金曜日、ではない。どんな商店でもこの日だけは黒字になることからそう呼ばれる。新聞広告に乱発される「ドア・バスター」という見慣れない英熟語がドアが壊れるほど多くの人が押しかける特売日である、とあおった。
周辺道路は州警察が出動して交通整理に当たるほどの混雑。全米各地でこの日、特価品の奪い合いに端を発した暴力ざたや現金を突然ばらまいたりする人が現れ、ニュースになった。
なぜこんな熱くなるのか。地元の人に聞くと「自分でもよく分からないけど、とにかく買わなきゃという気持ちが湧き上がってくる」ものらしい。
1つ買うともう1つはタダとか、数が売れるように工夫した手法は、確かに安いように感じる。ましてや物価は上昇中。次にはもっと高くなっているかも・・・と、自分でも信じられないようなまとめ買いをしてしまった。 (斉場保伸)