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ベルリン バカンスと「閉店法」

2014年03月07日

 ドイツにはコンビニがない。法律で禁じられているからだ。

 1956年につくられた「閉店法」は、その後の改正で何度か緩和されたが、今でも原則、商店の営業を平日の午前6時~午後8時に限っている。長時間労働を防ぐためだ。

 ただガソリンスタンドや駅の売店は例外。自宅近くの給油所も年中無休、終夜営業の売店を併設している。

 では、貴重な24時間営業の店だから繁盛しているかというと、そうでもない。たいてい閑散としている。私自身、日本ではコンビニを使わない日はなかったが、ドイツでは給油以外で立ち寄ったことはない。

 1日のうち昼間は働き、夜は休む。1週間のうち5日働いて週末は休む。そういうリズムを社会全体が共有している。少し大げさに言えば、日本の正月に感じる森閑とした雰囲気が週末ごとにやってくる。そして年単位では数週間のバカンス。年30日の有給を誰もが使い切る。

 ドイツが世界に誇る短い労働時間は仕事と休息のめりはりをつけた毎日の積み重ねの結果。「バカンスは一日にしてならず」だ。

 その根っこにある閉店法を、日本でも導入したらと夢想するが、反対の強さを思えば絵空事だろう。同じ先進工業国だが、この点でドイツと日本は恐ろしく離れた所に立っている。 (宮本隆彦)

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