2014年04月10日
この3年弱の間、ソウルに「○○県人会」が次々とできた。中部は岐阜や三重、静岡、富山に加え、東海3県人会と北陸圏人会も発足。関東では神奈川、千葉、茨城がそう。年明けには各会の新年会も続いた。
各会の会員の多くは企業の駐在員たち。会合のたびに任期を終えて帰国する人がいて、異国で出会った同郷のよしみから最後はしんみりともする。
なぜ県人会が増えたのか。日韓関係の悪化で、日本人が敬遠されて毎日が寂しいからということでは無論ない。在留邦人数が急激に増えたわけでもない。ネットや携帯電話の通信機能の発達で同郷人探しが容易になったのが第一だろう。東日本大震災が起き、心のどこかで望郷の念が募って同郷人とのつながりを求めるのかもしれない。
韓国には「社会人になってからできた友は真の友でない」との言葉がある。当地は厳しい競争社会。「真の友は同郷の中学、高校時代の友だけだ」との声も耳にする。県人会はお国言葉を話せて、とても心安い。とはいえ、県人会や日本人同士の付き合いに偏らぬよう韓国人との親交も深めたい。 (辻渕智之)