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上海 ネットの真偽見極め

2014年05月03日

 発展途上国を自称する中国だが、今や世界で有数のネット大国。「網民」といわれるネット利用者は六億人を超える。大陸や香港の新聞のネット版もあれこれと。その真偽が特派員の頭を悩ませる。

 香港紙ネット版が、中国の新空母建造計画を報じた。ご丁寧にも、ある省長の内部会議での肉声も引用し、とてもリアル。あわてて、原稿を準備したものの、何とネット上からいきなり記事が消えた。長い中国特派員の経験からいえば、香港発の情報は「玉石混交」。今回は「石」の方かなと判断し、出稿を見送った。

 翌朝、大陸の有力紙も新空母計画をデカデカと報道。本当だからこそ、当局の圧力がかかって消えたと見るべきだった。当方は、落胆と自戒…。

 北京勤務の時代。閣僚の記者会見の後で、ネットが配信した一問一答を見て、たまげた。何と、会見場では出なかった質疑が現れた。質問した記者名はなく「有記者問(ある記者が聞いた)」と。閣僚が自分の言いたいことをベラベラと。

 便利なネット。でも、このネット大国では真贋(しんがん)を見極める目も試されている。 (加藤直人)

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