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北京 皮肉な判決文の公開

2014年05月10日

 中国の民主・人権活動家で懲役4年の判決を受けた許志永氏の判決文を読んだ。裁判所がホームページで公開した。最近の司法改革を受けた情報公開の一環とみられる。

 許氏は、教育機会の平等や中国共産党幹部の資産公開を求めるため政府機関前での抗議活動を呼び掛け、それが「公共秩序騒乱罪」に問われた。だが、判決文に抗議活動を行った理由が触れられていない。要求そのものは正当で罪に問われる内容ではないからだろう。

 強調されていたのは、許氏が多くの人を「組織、扇動して」公共の場で抗議活動を行い、活動を止めるよう求めた警察の指示に従わなかったという点だ。許氏を活動の「中心メンバー」と認定し、抗議活動を「組織化した」点を重く見たことは読み取れたが、その根拠についても触れていなかった。

 正当な要求活動を「組織化」しただけで罪に問われるというのは理解できないが、こういう分析ができるのも判決文が公開されたからだ。当局主導の司法改革によって、当局の都合で罪が決まる理不尽が明らかになる。こうした皮肉な現象は今の中国を象徴している。 (新貝憲弘)

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