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バンコク 激しいデモは稼ぎ時

2014年05月15日

 反政府デモ隊の道路占拠も長くなり、閉鎖した道には「家賃なしでお金が稼げる」急造の屋台が幅を利かせ初めている。

 売っているものは笛、バンダナなどの「デモ参加記念グッズ」から、阪神タイガースのマーク入りジャンパーという明らかな偽物まで。最近はデモ隊を率いて、人気が高まるステープ元副首相の似顔絵つきTシャツやキーホルダーが台頭。長丁場に疲れた参加者目当ての足マッサージ(日本円で480円ほど)や散髪屋も増えてきた。

 Tシャツ1枚を100バーツ(約320円)で売るホワンさん(27)は「人が集まるから店を出したら予想以上。デモにも参加しお金も稼げるから最高」。デモ隊が撤収したら「品物を飲み物や食べ物に代えて稼ぎ続ける」とすっかり味をしめた様子。

 商店街は屋台に人を取られ、収入は激減。洋服店のトンさん(29)は「武力衝突がおきて、店を閉じることになった時より、ましだよ」。デモ隊に怒りを覚えないか、と問うと「あんた、ここはタイだよ。デモはつきものなんだ。長けりゃ、耐えるしかない」と平然と答えた。日本じゃ当然と思う質問も、ここでは愚問だった。

 (伊東誠)

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