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韓国・束草 名産地は北上する?

2014年05月19日

 韓国ソウルで知人宅を訪ねた。夫人は南部の大邱(テグ)出身。「美人の産地と聞くだけありますね」と言うと、「今はソウルに移ったでしょ」と返された。ソウルには美容整形の病院が多いからだ。夫人は「リンゴの産地も北上したんです」と続けた。

 大邱はリンゴで有名だが、温暖化で気温が上がって栽培に不向きとなり、農家は減る一方らしい。その後、韓国北東部の束草(ソクチョ)を訪ね、似た話に接した。

 東海岸の当地では冬、昔ながらのスケトウダラのつるし干しが風物詩。屋外で「夜に凍り、昼に解ける」を繰り返す。細長い身は黄金色に変わり、味に深みが増す。スープにすると絶品だ。ところが地元で聞くと、干しているのは大半がロシア産。韓国では温暖化で捕れなくなってきたためという。

 代わりに捕れているのはマダラ。韓国では南部・釜山(プサン)の「加徳(カドク)タラ」が有名だ。同じタラでも、冬のマダラは白子や卵を抱えた腹がでっぷりとふくれている。海の中、やせぎすが太っちょに北へと押し出される絵が頭に浮かんだ。食堂で新旧のタラをたらふく味わったが、外に出ると2月なのに春のような陽気で心配になった。

 (辻渕智之)

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