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ロンドン むちゃくちゃな主審

2014年06月06日

 近代スポーツ発祥の地、英国ではプレーする者も見る側も競技の公正さにうるさい。子供のサッカーでもそう。ロンドンで14歳の息子が所属するチームの試合中、一緒に観戦していた選手の親たちが、次々に主審に罵声を浴びせ始めた。

 敵地での試合は序盤から荒れに荒れた。不可解な判定が相次いだからだ。親もピッチに入って猛抗議し、たびたび試合が中断。外野にさんざん「詐欺師」呼ばわりされた主審は後半途中、とうとう“逆ギレ”。

 息子のチームメートが反則を犯し、主審に呼び付けられた。「君の名は」と問われ、けげんな顔で「マイケル」と答える。そこで間髪入れず、横にいた別の味方選手が「ジャクソン!」と叫んだ。2つを続ければ、誰もが知るスター歌手の名だ。

 険悪ムードの中、「なかなか大胆」などと感心していると、主審が冗談を口にした選手を一発退場に。そればかりか、すぐに試合終了の笛も吹いた。

 直後のピッチでは、相手チームの挑発もあって、両軍の選手と親による乱闘に発展。警察への通報で事態は収まったが、火種をまいた主審の姿は既になかった。(小杉敏之)