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バンコク 風情よりも商売優先

2014年06月21日

 タイ国歌が流れ、午後6時が過ぎ、ライトアップ。「思ったほど、迫力がないなぁ」。首都バンコクのターミナルで最大かつ最古のバンコク駅。この通称フアランポーン駅のかまぼこ形の駅舎より、すぐそばで急ピッチで進む地下鉄工事の方に目を奪われてしまう。

 人が行き交う駅にはドラマがある。車内食堂の店員や駅員に話を聞こうとすると「上司に許可取って」。数100メートル先の駅事務所へ出向き、戻って話を聞こうとすると「違うよ。国鉄の一番偉い人に手紙を書くんだ」。

 目に入るのは塗装が剥げかかっている車両…。「古いとか汚いなんて答えてごらん、それが分かったら駅員はクビさ」。バンコクは観光都市とはいえ、ちょっと過敏ではないか。

 路上にある巨大コーンをメガホンにして客寄せする店員の声につられ、駅正面から道路を隔て安宿や屋台が並ぶ一角へ。

 炭火であぶった干しイカを1枚5バーツ(16円)で売るウェッシュさん(56)に、地下鉄工事で駅の風情がなくなったのではと問うと「工事が進んで地下鉄が延びれば、観光客が戻ってくるだろ。人が来れば、何でもいいんだ」。(伊東誠)

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