2014年06月25日
韓国人も花見が好きだ。先日、ソウルの桜の名所として知られる「汝矣島(ヨイド)」へ家族と花見に出掛け、見物客の多さに驚いた。
漢江(ハンガン)河畔にある国会議事堂を囲うように、約2キロにわたって続く桜並木。歩行者天国となった車両用道路を、笑顔の人波が隙間なく埋め尽くしていた。
日本のように「シートを敷いて宴会」という光景はなく、人々はもっぱら桜の下を歩くだけ。それでも、アニメキャラクターの着ぐるみショーや、手品のパフォーマンスなどが繰り広げられ、花見客が恋人や子どもと一緒に写真に納まる様子は、日本と全く変わらなかった。
出掛けたのは、寒さが一時的に戻った「花冷え」の日。韓国でも同じように、花冷えを意味する「コッセムチュイ」という言葉がある。
政界を発信源とする“嫌韓反日”の応酬を日々記事にしている身にとっては、桜で同じように季節を感じる隣国同士の親近感を味わっただけでも、癒やされる気がした。
日本では「花が好きな人に悪い人はいない」という。こんな寛容な精神が、両国関係の底に敷かれるといいのだけれど…。(島崎諭生)