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米サルファー どう呼ばれても自分

2014年07月09日

 「われわれインディアンは」「インディアンの食べ物はね…」。米オクラホマ州サルファーで、アメリカ・インディアンたちと食卓を囲む機会があった。会話に盛んに出てくる言葉「インディアン」。もともとはインド人を意味する英語だし、侮蔑的意味が込められてきた歴史もある。使うことをためらう白人も少なくない。

 「『インディアン』という呼び方をせずに、ネーティブ・アメリカン(北米先住民)と呼ぶ人たちもいるけど、どう思う?」。そう聞いてみた。すぐに反応したのはスタンさん(68)。「僕はインディアンだ」。笑顔できっぱりと言う。他の人たちも「そう、われわれはインディアンだ」とうなずいた。

 スタンさんは「チョクトー、クリーク、チェロキー、セミノール。いろんな部族があるけど、われわれはみな同じアメリカ・インディアンだ」と誇らしげに宣言した。若い世代はどうか。すぐ隣にいたジョシュアさん(35)はちょっと首をかしげた後、こう言った。「その通り。でも、どっちでもいいと思う。自分たちはなんと呼ばれても自分たちだ」。みながまた、一斉にうなずいた。(吉枝道生)