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韓国・安山 悲嘆の黄色いリボン

2014年07月22日

 おびただしい数の黄色いリボンが、韓国の街のあちこちで翻る。フェリーの沈没事故後、現場近くの珍島(チンド)やソウルのほか、多くの高校生が犠牲になった安山(アンサン)でも目についた。

 消息不明になったり、事件に巻き込まれたりした家族が無事を祈るシンボルとして、韓国では数年前から使われるようになった。韓国人グループが二〇〇七年にアフガニスタンで誘拐されたときも、家族や友人らが黄色いリボンに思いを込めた。

 由来は、女性が黄色い布を木に結び、夫の無事を祈り続けたという米国の小説や歌で描かれた物語。山田洋次監督の名画「幸福の黄色いハンカチ」も米国のコラムが原作となっており、日本の「黄色いハンカチ」と韓国の「黄色いリボン」は根っこでつながっている。

 山田監督の映画では、黄色いハンカチは夫婦が感動の再会を果たした幸せの象徴だった。韓国では今、黄色いリボンは国民の悲嘆と憤怒のしるしになりつつある。「忘れません」「冥福を祈ります」。そんな言葉の記されたリボンを見るたびに、安山の献花会場に飾られていた生徒たちの遺影が目に浮かんで、息苦しくなる。(中村清)

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