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ニューヨーク ヒート「アップ」禁止

2014年07月17日

 娘が通うニューヨーク郊外の高校では、運動部の試合結果などをソーシャルメディアで発信することが禁じられている。応援に行った生徒たちも、ツイッターやフェイスブックに感想を記すことはできない。

 理由は簡単。感情的になって差別的な書き込みをする恐れがあるからだ。フットボールやバスケットボールなど、高校スポーツの応援は過熱する。日本でもそうだが、激しい声援が飛び交うことになる。

 日本と異なるのは、学校によって生徒の肌の色が違うことだ。生徒のほとんどが白人の高校と黒人ばかりの学校が試合をすることも多い。試合も、ヤジも盛り上がる。

 スポーツは見る者を直情的にする。だからこそ、人種差別事件が絶えない。さらに、ソーシャルメディアでは、人前で口にできないような言葉をつい使ってしまうことがある。米国の差別の歴史を思えば、書き込み禁止は理解できる。

 ちなみに、高校生のソーシャルメディアでは、教師の悪口が飛び交っており、四六時中見つかっては呼び出されている。だが、こちらは今のところ、禁止されていない。(吉枝道生)