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蘇州 日中の絆 肝に銘ずる

2014年07月23日

 太湖のほとりに開けた蘇州。「東洋のベニス」とまで形容される江南の美しい水郷の街だ。

 この街を訪れる楽しみの1つは、コクのある澄んだスープに、中国では珍しいコシのある細麺が特徴の蘇州麺。豚の角煮、カニみそ、蒸しエビ、たけのこ炒めなどの具が小皿で供される。別々に味わっても麺にかけても気の向くまま。

 満腹となり、紀元前の春秋戦国時代に、呉越の戦場ともなった古都を歩いた。日本でも学ぶ故事「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」で知られる、越王勾践と呉王夫差の戦いの舞台。

 夫差は、捲土重来(けんどちょうらい)を期す勾践を滅ぼすよう進言した重臣の伍子胥(ごししょ)を疎み、死を賜った。死に臨み「呉が滅びるのを見届ける。わが目をくりぬき門にかけよ」と叫んだ伍子胥。実際に目玉がかけられたと伝えられる城門が再建されている。

 蘇州はかつて「呉」とも呼ばれた地。和服は「呉服」とも呼ばれるが、もともと呉の織り方による絹織物のことを言う。中国の古都を歩く。それは、「臥薪嘗胆」であれ「呉服」であれ、今では仲が悪くなってしまった日中の深い絆を再確認する旅でもある。(加藤直人)

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