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釜山 暗闇 旅の友はゴメン 

2014年07月26日

 南東部の港町・釜山を7年ぶりに取材で訪ねた。韓国版の新幹線・KTXでソウルから2時間半ほど。新聞を読み、資料に目を通していたら、あっという間だった。

 以前KTXに乗った時は、高速鉄道の専用線がソウルから途中の東大邱(トンテグ)までしか開通していなかったため、そこから先は終点の釜山まで在来線に乗り入れて運行されていた。時間は今よりも最大で20分ほど余計にかかったが、韓国有数の大河、洛東江(ナクトンガン)沿いを走る車窓の眺めが楽しみだった。

 今回、東大邱から先の新たな景色に期待したが、トンネルが多くてがっかりした。韓国鉄道公社によると、釜山までの129キロ区間のうち、トンネルが36カ所で全体の5割以上を占める。最短に近いルートで結んだ分だけ、トンネル区間が多くなったのだろう。

 時刻表をあらためて調べてみたら、東大邱から先は在来線を走るKTXも運行されていた。本数が少なく、所要時間も少し長くなるが、洛東江沿いを眺めながら釜山まで行ける上、運賃もわずかだが安い。時刻表とカレンダーを手に、旅行気分に浸っている。 (中村清)