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バンコク デモ渦中 意外な感触

2014年08月08日

 「兵よ、去れ。俺は戦い続ける」。男性は座り込み、10メートル先に対峙(たいじ)する兵を挑発する。男性の真正面に立ち、撮影した瞬間、後ろからどどっと突き飛ばされた。30人ほどの兵が男性目がけて、無言で突進し、拘束したのだ。

 その後、バンコク中心部で実施されたタクシン元首相派による大規模デモ。軍とデモ隊がにらみ合い、しばらくしてデモ隊は「軍は国を支配するな」と書いた黒い横断幕を持って突進。

 兵とデモ隊の間にいた。デモ隊へカメラを向けていたら後ろから、プラスチックの盾が当たる。両者に挟まれ、押しくらまんじゅうのように押し合いへし合い・・・。デモ取材は巻き込まれる危険と隣り合わせとはいえ、位置取りがまずかった。

 しかし、2回とも痛みを感じなかった。突き飛ばされた時もタックルのような直撃ではなく、横へ押しやられる形で。「ボコッ、ボコッ」とプラスチックの盾に押されたが、痛くなく、不思議な感覚。報道の腕章をしていたこともあったかもしれないが、ただでさえ国際社会から批判を浴びるタイの軍政。「なるべくソフトに」という思惑があるのだろう。 (伊東誠)

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