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カイロ 痴漢大国 返上なるか

2014年08月05日

 エジプトは知る人ぞ知る「痴漢大国」だ。加えて、国連ウィメンは昨年の報告で、女性の99.3%が何らかのセクシュアルハラスメントの被害に遭っているとしている。

 そのエジプトに6月、セクハラを取り締まる新法ができた。最高で5年の禁錮刑と5万エジプトポンド(71万6000円)の罰金が科せられる。セクハラを実質的に取り締まる初の法律だという。

 エジプトでは今も、痴漢に遭うのは女性に責任があるとの考え方が根強く、男性側の罪の意識は低い。恥ずかしさのために、被害を警察で話すことをためらう女性も多い。

 カイロのセクハラ対策団体のアイマン・ネーギさん(25)は「社会の意識が変わらなければセクハラは減らない」と訴える。

 6月初旬、カイロ中心部のタハリール広場で開かれたシシ新大統領の就任を祝う集会中、女性が若者集団に服を引きちぎられるなど悪質なセクハラ事件が多数発生し、8日に男7人がセクハラ容疑で逮捕された。

 果たして新政権下、新法によって痴漢を含むセクハラは減るのだろうか。エジプト人の関心は高い。 (中村禎一郎)