【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. アメリカ・カナダ
  5. 米ビーナ 全身使って手話通訳

米ビーナ 全身使って手話通訳

2014年08月29日

 女性ダンサーの躍動感あふれる動きが手話通訳だと気付いた時、コンサートの凄(すご)みが心に響いた。日の暮れたバージニア州ビーナのウルフトラップ舞台芸術国立公園。野外ステージ下手寄り、小さな照明の当たる場所が手話通訳者たちの定位置だ。ダンサーではなかったのだ。

 中央できらびやかな照明を浴びて歌うのは米国を代表する黒人女性歌手ダイアナ・ロス。世界を魅了したモータウン・ミュージックの中心的存在で、その後も米国音楽をリードした。

 ロスの音楽活動はすでに50年を超えた。高齢になったファンの中には聴力が衰えてしまった人もいるだろう。ウルフトラップは「観客の要望があれば、手話通訳者を用意する」と約束している。

 手話通訳者は3人で交代しながら手話を駆使。体でリズムを刻むことで言葉を超えたステージのうねりを丸ごと伝えようとしているかのようだ。

 「みんなの笑顔にすごく元気をもらったよ。家に持って帰りたいぐらい!」。観客と一体となったコンサートの最後で話したロス。耳の不自由なファンにも彼女の思いは確かに伝わったことだろう。 (斉場保伸)

旅コラム
国内
海外