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ベルギー・イーペル 少年狙撃兵が眠る地

2014年08月28日

 整然と並ぶ数百の墓標の中で、その一角は小さな十字架やクマの縫いぐるみで飾られていた。墓石に「狙撃兵V・J・ストラドウィック 1916年1月14日 年齢15」と刻まれている。第1次世界大戦の激戦地ベルギー西部イーペルの「エセックス・ファーム墓地」に、もっとも若い戦死者の1人とされる英国人少年の墓があった。

 「年齢を偽って従軍した少年の志願兵がここで多数戦い、死んだのです」

 地元のガイドが説明してくれる。年上の親戚の名前を使って従軍し、戦死したため、戦後長く別人の名前で葬られてきた少年も多いという。敵前逃亡で処刑された少年もいたらしい。

 人類史上初の大規模総力戦は、一国の軍事力だけでなく、経済力や科学力、そして人材を戦争に駆り立てた。その渦に巻き込まれた少年たちは、異国の地に眠る。

 「みなさん、ここが15歳で戦死した少年の・・・」。ストラドウィック少年の墓の前に、同年代の英国人生徒たちが団体で次々に訪れていた。引率の教師の説明を聞く表情は真剣だ。開戦から100年。死者の声を聞くときだ。 (野村悦芳)

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