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韓国・安山 誠実さ大人への警告

2014年09月20日

 韓国のフェリー沈没事故から3カ月余が過ぎた7月末、救出された高校生22人が事故当時の状況を初めて公に語った。生徒の住む京畿道(キョンギド)安山市の法廷で開かれた、船長や船員に対する公判の証人尋問だ。

 沈みゆく船の中で、いったい何が起きていたのか。「船員も海洋警察も助けてくれなかった」という極限状態の中、さまざまな偶然が生死を分けた。

 ある女子生徒は、傾いて浸水した船室内でキャビネットの上に座っていたら、家具ごと海水に浮いて押し上げられ、頭上の出入り口から脱出できた。別の女子生徒は友人と3人で廊下から甲板に出ようとしていて大量の海水に流された。「1人はすぐ通路から甲板に脱出した。もう1人は流されてしまった」

 生徒に配慮し、尋問は非公開で進行。代表取材で傍聴した記者によると、どの生徒も事実関係を正確に説明しようとしていた姿が印象的だったという。

 なぜ、多くの同級生が命を落とさなければならなかったのか。具体的で詳細な証言内容は、事故の真相究明にもたつく大人たちに向けられた、高校生たちからの警告のメッセージのように思えた。(中村清)

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