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北京 運動会 何か物足りず

2014年11月04日

 小1の娘が通う日本人学校で運動会があった。その日も空気はきれいとはいえず、PM2・5の開催基準をぎりぎり下回る値。マスクをする子どもや保護者も散見されたが、子どもたちは実に楽しそうだった。

 中学生までが3つのチームに分かれて競い合った。上級生はよく下級生の面倒を見て、応援合戦やリレーで大いに盛り上がった。まさしく「日本」の運動会。一昨年は尖閣諸島国有化の余波で開催が延期された上、平日開催となり保護者観覧が中止となった。初めての運動会ではしゃぐ娘の姿を見るにつけ、平穏のありがたさをかみしめる。

 ただ、何かが物足りない。他の父親に言われて気が付いた。「ヤンキーっていないよね」。確かに昔の運動会では、日ごろちょっと悪ぶっている男子が活躍したりしたものだが、そのような子は見当たらない。みな真っすぐ育っているように見えたが、おとなしい印象も受けた。

 大半は日本人の多いマンションに住み、学校まで専用バスで通う。ある意味「守られた」環境では、それもしかたがないのかもしれない。娘にグレてほしいわけではないが、複雑な気持ちになった。(佐藤大)